老犬の散歩と運動量の目安|歩きたがらない時の工夫とリハビリのコツ

穏やかな日差しの中、飼い主とゆっくり歩く老犬の様子 老犬ケア

はじめに

若いころは元気いっぱいに走っていた愛犬も、年を重ねるにつれて歩くスピードがゆっくりになったり、散歩を嫌がるようになることがあります。

「もう無理させない方がいいのかな?」と心配になりますが、実は散歩は体だけでなく心の健康にも大切な時間です。

この記事では、老犬に無理のない運動量の目安や、歩きたがらないときの工夫、季節ごとの注意点までを、飼い主さんの目線でやさしく解説します。

老犬にとって散歩が大切な理由

散歩は単なる運動ではなく、「気分転換」「脳の刺激」「コミュニケーション」の時間でもあります。

いつもの道を少し変えるだけでも、匂いや音、景色の変化が脳を活性化させ、認知機能の低下を防ぐ効果があります。

無理をさせず、“ゆっくり一緒に歩く”ことを大切にしてあげましょう。

散歩の適切な時間と頻度

老犬の運動量は体調や季節によって調整します。

  • 目安:1日2回(朝・夕)、各10〜20分程度
  • 元気な日は少し距離をのばしてもOK
  • 疲れやすい日は、庭先や近所を数分歩くだけでも十分です

💡ポイント:
散歩の目的は「距離」ではなく「リズムを作ること」。

外に出る時間を一定に保つことで、生活リズムも整いやすくなります。

歩きたがらないときの工夫

老犬が散歩を嫌がるのは、体調だけでなく不安や環境の変化が影響していることもあります。

  • ルートを変える:同じ道ばかりだと刺激が少なく飽きてしまうため、時々コースを変えてみましょう。

  • 気分を切り替える:声をかけながら一歩ずつ、「一緒に歩こうね」と安心させてあげましょう。

  • 好きな場所へ誘導:公園・お気に入りのベンチなど、愛犬が落ち着ける場所をゴールに設定すると楽しみになります。

  • 暑さ・寒さに配慮:気温差が激しい季節は、外出前に気温や路面温度をチェック。

散歩の補助とリハビリのヒント

年を重ねると、後ろ足に力が入りにくくなる犬も多いです。

そんなときは「補助」と「リハビリ」を組み合わせましょう。

  • 補助ハーネスを使う:腰を支えてあげるだけでも歩行が安定します。

  • 段差は抱っこでサポート:階段や段差は無理せず飼い主さんが抱えてあげましょう。

  • マッサージで筋肉をほぐす:散歩前後に太ももをなでるようにマッサージして血行を促進。

  • リハビリ運動:足首をゆっくり回す、軽く屈伸させるなどの簡単な動きで筋力を維持できます。

季節別の注意点

☀️ 夏

熱中症のリスクが高くなる季節。

朝晩の涼しい時間帯を選び、アスファルトの温度を必ず確認してから出かけましょう。

冷たい水を持参し、こまめな水分補給を。

❄️ 冬

寒さに強い犬もいれば、冷えに弱い犬もいます。

室内飼いの小型犬は特に冷えやすいため、防寒着を着せてあげましょう。

散歩後は、足裏を拭き、しっかり体を温めることが大切です。

散歩後のケアとチェック

散歩の後は、「水を飲んだか」「足に異常がないか」をチェック。

冷たい水を一気に飲ませると胃を刺激することがあるため、常温の水を少しずつ与えるのが理想です。

その後は、ゆっくり休める場所で体を落ち着かせてあげましょう。

まとめ|“歩く”は体だけでなく心のリハビリ

老犬にとっての散歩は、“体を動かす”こと以上に“生きる喜び”そのもの。

歩ける距離やスピードが変わっても、外の空気を感じる時間を続けることで、心も穏やかになります。

焦らず、比べず、その子のペースで。

今日も一歩、ゆっくりと歩き出す時間が、何よりのリハビリです。

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