はじめに
「老犬をお風呂に入れてあげたいけど、体に負担がかかりそうで不安…」
「どのくらいの頻度で洗えばいいの?」
そんな悩みを感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
年齢を重ねた犬にとって、お風呂は清潔を保つだけでなく、心地よさと安心を与えるケアの時間です。
ただし、若い頃と同じように洗ってしまうと、体への負担やストレスになることもあります。
この記事では、老犬にやさしいお風呂の入れ方や頻度、注意点、さらに立てる子・寝たきりの子それぞれに合わせたケア方法を、飼い主さん目線でわかりやすく解説します。
老犬のお風呂・シャンプーの頻度はどのくらい?
老犬のシャンプーは、2ヶ月に1回程度が目安です。
ただし、皮膚が薄くデリケートになっているため、過度なシャンプーは避けましょう。
頻度の目安
- 健康状態が安定している場合は 2ヶ月に1回程度
- 足腰が弱い・寝たきりの犬は 3〜4週間に1回の部分シャンプー
- トイレの失敗などで汚れた場合は、部分洗いをその都度行ってOK
- 汚れが少ない・体調が悪い日は、濡れタオルで体を拭くだけでも十分です
💡 ポイント
「頻度」よりも「体調」を優先して、無理をさせないことが大切です。
シャンプー前に確認しておきたいこと
- ご飯をしっかり食べているか
- 呼吸が荒くないか
- 足腰がふらついていないか
- 皮膚に赤みやできものがないか
心臓病や呼吸器疾患がある犬は、シャンプーを控えるか、部分洗い・温タオル拭きに切り替えましょう。
老犬にやさしいお風呂の入れ方
1️⃣ お湯の温度と準備
- お湯の温度は 35〜36℃(成犬よりやや低め)
- 冬場は 37〜38℃ 程度まで上げてもOK
- 浴室の温度はあらかじめ温めておく
- 滑り防止のため、浴槽や床に 滑り止めマットを敷く
お湯が熱すぎると心臓に負担がかかるため、ぬるめを意識しましょう。
2️⃣ 全身をぬるま湯でしっかり濡らす
- まずは お尻の方からゆっくりシャワーをかけて慣らします。
- シャワーヘッドを皮膚に軽く当て、下毛までしっかりお湯を通す。
- シャワーが苦手な子は、ヘッドを外してホース状にしたり、手でお湯をかけてもOK。
3️⃣ シャンプーは泡立ててから使う
- 洗面器に少量のシャンプーを入れ、シャワーを当てて細かい泡を作る。
- 泡をスポンジや手に取り、やさしくマッサージするように洗います。
- 泡タイプのシャンプーなら手早く洗えて老犬への負担も軽くなります。
4️⃣ 洗う順番は「下から上へ」、最後に顔
- お尻 → 足 → 背中 → 首 → 顔 の順に進めます。
- 洗うときは強くこすらず、なでるように泡をなじませるのがコツ。
- 顔は最後に洗い、シャンプーが目や鼻に入らないよう注意します。
5️⃣ すすぎは「上から下へ」
- 顔 → 首 → 背中 → お尻 → 足 の順に、上から下へ泡を流します。
- 手でお湯をかけながら、ぬめりが完全になくなるまで丁寧にすすぎましょう。
- 「キュッ」とした手触りになったらすすぎ完了です。
シャンプー後の乾かし方と注意点
- タオルで水分を押さえるように拭き取る
- ドライヤーは犬から30cm以上離し、弱温風と冷風を交互に使用
- 乾かすときは胸から先に乾かすと冷えを防げます
- 完全に乾かした後は、軽くブラッシングやマッサージをしてあげましょう
💡 POINT:
ドライヤーの音が苦手な犬は、事前に布をかけて風を和らげると安心します。
お風呂が難しいときの代替ケア
部分シャンプー(立てる老犬におすすめ)
- 洗面器にぬるま湯を入れ、足先やお尻まわりなどを1本ずつ丁寧に洗う。
- 洗った部分はしっかり乾かし、低温ドライヤーで水分を残さないように。
- トイレの汚れなど、部分的なシャンプーはこまめに行ってOK。
寝たきりの老犬には「温かいタオル拭き」
- 月1〜2回を目安に、ぬるま湯で絞ったタオルで全身を拭く。
- 背中 → お腹 → 脚の順に毛並みに沿ってゆっくりと。
- 拭いた後は乾いたタオルで水分を取り、弱風ドライヤーで軽く乾かします。
- ホットタオルを使うと血行促進とリラックス効果が高まります。
こんな時は無理せずプロに相談を
- 呼吸が荒い・心臓疾患がある
- 立てない・シャンプー中に震える
- 皮膚炎・湿疹・脱毛がある
そんなときは、老犬に対応できるトリミングサロンや出張トリミングを利用しましょう。
「その子の体調に合わせたケア」をしてもらえる専門家に任せるのも立派な愛情です。
まとめ|無理せず、清潔と安心を保つお風呂ケア
老犬にとってお風呂は、「体をきれいにする時間」ではなく、飼い主さんと穏やかに触れ合う癒しの時間でもあります。
負担をかけず、気持ちよく過ごせる工夫をしながら、毎日を清潔で快適に過ごせるようサポートしてあげましょう。

