はじめに
「夜中に犬が鳴き続けて眠れない…」
飼い主さんにとって夜鳴きは大きなストレスですし、近所迷惑にならないか心配になることもあります。
夜鳴きは単なるわがままではなく、犬のライフステージや健康状態によって原因が異なる行動です。
ここでは、子犬・成犬・老犬に分けて夜鳴きの主な原因と対処法を解説します。
犬が夜泣きする原因
子犬の場合
- 分離不安:母犬や兄弟から離れて不安
- 環境の変化:新しい家や寝床に慣れていない
- 夜中の排泄:トイレトレーニング中で我慢できない
👉 子犬の夜鳴きは「安心したい」というサインであることが多いです。
成犬の場合
- 運動不足や退屈:エネルギーが余って夜中に鳴く
- 要求吠え:構ってほしい、散歩やご飯を求める
- 外部刺激:外の物音や光に反応して吠える
👉 成犬の夜鳴きは「生活リズム」や「環境の刺激」に左右されやすいです。
老犬の場合
- 認知症(犬の認知機能不全症候群):昼夜逆転、意味もなく鳴く
- 体調不良や痛み:関節痛や内臓疾患による不快感
- 不安や混乱:視覚・聴覚の衰えで夜に落ち着かなくなる
👉 老犬の夜鳴きは「認知症」と「体調変化」に注意が必要です。
夜鳴きへの対処法
子犬の夜鳴き対策
- クレートやサークルに慣れさせて「安心できる寝床」を作る
- 飼い主の匂いがついた毛布を置く
- 就寝前に排泄と軽い運動を済ませる
👉 「鳴いたらすぐ構う」と夜鳴きが習慣化するため、落ち着いたら優しく褒めるのがポイント。
成犬の夜鳴き対策
- 日中に十分な散歩や遊びで疲れさせる
- 夜は暗く静かな環境を整える(カーテンを閉める、防音マット)
- 要求吠えは無視し、鳴かなくなったら褒める
👉 メリハリをつけた生活習慣が改善のカギです。
老犬の夜鳴き対策
- 部屋をほんのり明るくして不安を減らす
- 優しく声をかけたり、落ち着く音楽を流す
- 認知症が疑われる場合は早めに動物病院で相談
- サプリや処方薬が有効なこともあります
👉 老犬の夜鳴きは「介護の一部」と考え、飼い主さん自身の休養も確保しましょう。
夜鳴きと防音対策
どうしても夜鳴きが収まらない場合、周囲への配慮も必要です。
- 防音カーテンや吸音パネルで音漏れを防ぐ
- ケージの位置を窓から離す
- 戸建てなら地下や防音性の高い部屋に寝床を移動する
👉 防音対策は「しつけ」と並行して取り入れると安心です。
薬を使うべきか?
- 認知症や重度の不安症の場合、動物病院でサプリや鎮静作用のある薬が処方されることがあります。
- 自己判断で人間用の薬を与えるのは危険。必ず獣医師の診断を受けましょう。
動物病院に相談すべき目安
- 毎晩続いて飼い主も犬も消耗している
- 昼夜逆転や徘徊が見られる
- 鳴きながら震える、吐くなど他の症状を伴う
👉 単なる癖ではなく、病気のサインの可能性があります。
まとめ
犬の夜鳴きは「甘え」「不安」「病気」のサイン。
- 子犬は環境に慣れさせる工夫
- 成犬は生活リズムと刺激対策
- 老犬は認知症や体調変化への配慮
飼い主さんが「原因を見極めて、できる工夫を少しずつ積み重ねる」ことが大切です。
それでも改善しない場合は、迷わず動物病院に相談しましょう。

